頂上にもそう長くはいられません。風も幾分強くなってきました。ここからは、ひたすら下っていくのみです。帰りのルートは御殿場口方面に下り、宝永山に寄って、砂走りをおり、富士宮口6合目に戻り、5合目に下山というルートをとりました。
下りは、すいすい勝手に足が進み高度が低くなるにつれ、じわじわと暑くなってきました。宝永山に寄り、富士山の懐の深さを改めて感じ、砂走りを飛ぶように駆け下りました。5合目についたのは午後1時頃でした。登りに比べるとほんと早い!降りたみんなと握手!胸に熱い何かがこみ上げてきました。久しぶりにアスファルトを踏んだような気がしました。
着替えなどを済ませ、帰路につきました。途中、足柄サービスエリアで昼食をとり、帰りのバスの中ではみんな何を考えていたのでしょう。子ども達に今回なぜ富士山に登ろうと思ったのか?尋ねてみると、「日本一の山だから」と…みんなで登ったね富士山。今回の企画に至るまでには、長い時間かかりました、「わくわく探検隊で富士山に登る必要があるのか?」様々な反対意見もありました。でも、やりたいと思いました。
最近の山ブーム、富士山ブームというファッションとしてではなく、わくわく探検隊発足5年、今だからできるのではないかと思いました。約1年かけて、説明会、2回の練習会を経て、この本番を迎えました。カマキリという心強いガイドの協力なしでは、達成できなかったプログラム。沢山の方のご協力があって実現したプログラムだったと思います。
富士登山には日常では味わえない状況があります。その一つ一つを克服していく精神力が必要です。一人では、乗り切れなかったかもしれない困難も、仲間がいるから乗り越えられた。実際見るご来光や、雲海、丸く見える虹、雲に写る自分の影、360度の星空…写真では味わえない感動があります。何故ならリアルタイムでは、その時の息づかい、胸の鼓動、太陽の暖かさ、風の音、
それはその時、その場にいなければ得られないものだから。そして、それらは写真やビデオでは伝えられないものだからです。自然の偉大さと、宇宙の果てしなさ、そして自分の小ささ、小さい自分たちでも、声を掛け合い、励まし合って、ここまで登ってきたのだと。多くの子ども達に体験してほしい。わくわく探検隊の伝えたかった事を。
この感動が、少しでも、皆様に届きますように…
わくわく富士山隊は、来年度も行います。5月に練習会を行い、8月に本番予定です。
また、感動の地へ行きましょう!!
2010年8月アーカイブ
元祖7合目山口山荘で仮眠をとり、夜中2時に出発。眠い目をこすりながら頂上を目指します。ヘッドライトを装着し、ニット帽をかぶり、防寒着を着て、
まだ目覚めていない身体をどうにか動かしているのは、「頂上に行きたい」という、みんなの頑張りだけでした。。
大人の私でも、夜中、活動するのは堪えます。子どもたちは。もはや、おしゃべりをする余裕もなくなっています・・・
息づかいもあがり、後から見る小さい背中が、「辛いよ~」と言っているようでした。休憩を何度もとりながら、ようやく9合5尺目にさしかかり、暗闇に包まれていた富士山も、うっすら東の空が明るくなってきました、御来光までもう数十分です。
その瞬間は、息を呑むほど美しく、登る者すべての足を止め、御来光を身体全体で受け止めたのでした。あの一瞬で子どもたちは俄然元気になりました!暗闇を歩いているときとは大違い、笑顔が出てきました。
頂上はもう見えています、はやる気持ちを抑え一歩一歩ゆっくり登っていきます。頂上に到着したとき、その時感じた事は…不思議と「無」でした…
ただ一緒に登った仲間たちの顔を見つめ、登ってきた道のりを見下ろし、ようやくほっとした安堵感を感じました。。しばらく景色を堪能し、そしてみんなで写真撮影、それから、山小屋で作っていただいた、朝ごはんのお弁当を頂きました。
それから、3776メートル地点の観測所まで登りました。頂上の人口の多さに改めて驚きましたが…それでも2010.8.22あの日、あの時間、富士山頂を共にした人たちだと思うと、自然と「こんにちは!」なんて挨拶がでます。しばらくの間私たちは「雲の上の人」となっていたのでした。
次は31日に『下山・そして今だから思うこと…』をご報告します。
とうとうその日が来ました。『富士山シリーズ企画最終章』この日のために、去年の10月から、2回の練習会を行い、意識を高めてきた10ヶ月間でした。
選んだルートは富士宮口です。5合目で約2時間、高度に順応するためにゆっくり、のんびり、お昼ご飯のお弁当を食べ、少し体を動かしながらすごしました。
準備体操をして、いざ出発!今日の目標は元祖7合目です。(そこの山口山荘に泊まります)わくわく探検隊のチャレンジャー達は、それぞれに緊張の面持で一歩一歩歩みを進めました。確かに吉田口に比べると、ぐいぐいと上がっていく感じがします。我がチャレンジャー達ははやる気持ちを抑え、できるだけゆっくり、小さく小さく進みました。スタート時は霧雨でしたが、新7合目くらいから晴れてきて、元祖7合目に到着する頃は、雲海の上。
雲を下に見る、非日常の世界に感動し、その雲海はずーっと見ていたいくらい神秘的でした。
山口山荘は土曜日という事もあり非常に混雑していましたが、それは仕方ないですね、なんせ今年の富士山は尋常ではない混み具合のようですから…
そんな中でも、山荘の方たちは笑顔で応対してくれました。夕飯のカレーライスを食べ、その後はまた外に出てどんどん変化する雲海を眺め、今登ってきた道を眺め、沈みゆく太陽を眺めました。この景色の中にいるともう頂上かのような錯覚に陥るほどなのに、背後を振り返れば、まだまだ頂上へ続く道は続いていて、富士山の偉大さを感じるのでした… 次回は28日に『深夜の出発~頂上!』をお知らせします。
8月1日に竹芝から出発し4泊5日の島人キャンプからから昨日戻ってきました。
大きな怪我や病気もなく無事終了し、久しぶりに家に戻り、式根島のお土産話はどうだったでしょう?
3つの海岸を泳ぎ、2つの漁港でつりをして、温泉に入り、度胸試しの飛び込みにもチャレンジし、お天気雨の後に出た、虹の下を歩き、地元の方とふれあい、笑って、泣いて、とっても忙しい5日間でした。そしてあっというまの5日間でした。
初めての事に挑戦している時の子ども達の真剣な目、手をつなぎ海を泳いでいるときにシュノーケルから聞こえる君たちの息遣い、そんな一瞬一瞬に私は一緒にいられる事ができて、幸せです。最後の夜に「みんなが今ここにいられる事に感謝しよう、この同じメンバーで会えるのはこれから先、まずないでしょう、
だから、みんな友達になって帰ってください。一瞬一瞬を大切にしてください。」って言いました。そうしたら誰か子どもが「あわび~いつもそれ言うよ~」って…
確かにそうなんです、いつも言ってる気がします。でもそれを覚えてくれてるんだな~と思いました。うれしかった。
今回参加した仲間小1~中2まで20名。大人になってもこのわくわくで過ごした暑い夏のひと時をどの場面かでも覚えていてほしい。そう願っています。